裏アジア紀行

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
片道切符で旅立ったクーロン黒沢がディープな僻地で出会う筋金入りの奇人変人たち。訳ありの逃亡者、反省していない元殺人犯、変態、ヤク中、詐欺師…。あわよくばひと儲け、と付き合ったが最後、想像を絶する悲惨なトラブルに次から次へと巻き込まれていく。すったもんだの末に辿り着いた悟りの境地とは一体?史上最低最悪の青春顛末記。
著者からのコメント
 寒々しい風に顔を叩かれ長江を下り、たどり着いたのは売春と魚の干物作りが主要産業という極貧の村だった。宿のあるじは死期の迫った絶望老人。飯屋に行けば面子を潰された村のチンピラが茶碗を叩き割りつつ殴り合い、港に行けば地元の汚職役人と絶望しきった労働者が未払い給与がどうしただの怒鳴り合うこの世の地獄……。
 就職難、物価高、年金問題、子供の教育、犯罪多発、リストラ──。悩み多き現代人の皆さん、世の中には皆さんより深いところで絶望する人々が約38億人いるのです。我々はその頂点で、ちょこっと悩んでいるに過ぎないのです──という、どうでもいい真実に気づくまでの長い長い旅の記録。遂に登場!
著者について
 1971年東京生まれ。プノンペンを中心に目の虚ろな人々の行動観察に励むかたわら、朝起きて冷蔵庫で冷やしたお茶を一気飲みするまでの数分間、「世の中から戦争と貧困を消し去るための方策」について、頭を巡らせる日々を送る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クーロン黒沢
1971年東京都生まれ。九〇年代半ばよりカンボジアの首都・プノンペンでライター生活を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

およそ法律の存在しないに等しく、権力の不敗と暴走の激しいアジア各国を遍歴し、著者は様々な揉め事に出会す。登場人物も濃い面子揃いだ。針小棒大な表現があるのは否めないが、ユーモラスでオーバーなトラッシュ気味の比喩表現が発展途上の国々を描写する方法として壺に嵌っていて、爽快・痛快な冒険譚と正反対の鬱屈した青春の実記となっている。

裏アジア紀行 (幻冬舎アウトロー文庫)

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