大学受験のための小説講義

センター試験国公立大学二次試験国語に小説が出題される。これらの問題には高校の国語の授業では教えてくれない五つのルールによって作られており、その独特な偏った読解法を知らないと太刀打ちできない。最近の入試問題を解きながら入試国語の隠されたルールを暴き伝授する。小説問題が苦手あるいは得点が安定しない受験生にとって嬉しくて為になる準受験参考書。読み終わったあと小説読みの達人見習いになった気分が味わえる。

記号式問題を解くための五つの法則

法則1 気持ちを問う設問には隠されたルール(学校空間では道徳的に正しいことが正解となる)が働きがち。
法則2 そのように受験小説は道徳的で健全な物語を踏まえているから、それに対して否定的な表現が書き込まれた選択肢はダミーである可能性が高い。
法則3 その結果正解は曖昧模糊とした記述からなる選択肢であることが多い。
法則4 気持ちを問う設問は傍線部前後の状況についての情報処理であることが多い。
法則5 正解は似ている選択肢のどちらかであることが多い。ただし法則5は中学や高校の入試国語ではほぼそのまま使えるが大学受験国語では裏を掻かれることがある。

物語文による読みを基本としながら、これら五つの法則と消去法を組み合わせて解くのがセンター試験の小説の鉄則である。

大学受験のための小説講義 (ちくま新書)

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