ニートの歩き方

久しぶりに読んでいて衝撃を受けた書。2000年頃まで活発に活動していただめ連や老荘思想に通じるものがある。時間を売って得た給料で大量消費することを美徳とする資本主義社会を筆者は憎悪する。「だるい」という感覚を大切にし、やりたくないことを我慢し嫌々ながら頑張るのをやめ、もっと自然体で生きることを説かれるとなんだか和む。現代日本社会に生きづらさを感じているニート予備軍にとって救済になるはずだ。世間の風当たりも強いだろうが、筆者には負けずにこの社会にプロテストしてもらいたい。

phaの日記
http://d.hatena.ne.jp/pha/

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

父として考える

これからは学歴よりコミュニケーション能力・グループワーク能力の高さが評価される時代になることで二人の意見は一致している。

父として考える (生活人新書)

父として考える (生活人新書)

きみがモテれば、社会は変わる。

日本人が空気を読む「悪い心の習慣」を変え、「悪い共同体」を変えるように呼び掛けても失敗するのは目に見えている。

きみがモテれば、社会は変わる。 (よりみちパン!セ)

きみがモテれば、社会は変わる。 (よりみちパン!セ)

われ日本海の橋とならん

日本メディアに叩かれた加藤嘉一君への2通目の手紙
http://www.newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2012/12/post-608.php

学歴詐称(と呼ぶのは大袈裟)が発覚した加藤嘉一。上昇志向が強い世間知らずの若者が中国共産党宣伝部に手玉に取られ、共産党の代弁者・走狗・広告塔として利用され捨てられたとみて間違いなかろう。政府系新聞のような親中国的発言を快く思わない者も多い。若くしてマスメディアの寵児として持て囃されたやっかみもあるだろう。だが多少の勇み足は度量を広く持ち大目に見てはどうか。彼の中国語は流暢ではあるし、北京大学大学院を修了したのは確かなようだ。内容は研究者の論文と言うよりエッセーに近く、ロジックが弱く未熟だが、中国国内の因習や庶民の現状について紹介する内容の中には興味を引かれるものもある。

われ日本海の橋とならん

われ日本海の橋とならん

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

栞子さんの母親が失踪した謎が解き明かされそうなところで次巻に続く。一般的なミステリーらしさが増してきた。

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち

日常の謎系のミステリー小説。前半の人情ものの短篇が後半のストーリーの伏線になっている。こぢんまりと纏まっており物足りない。女受けしそうな感じ。苦痛を伴わない読みやすいあっさりした文章なのだが、アニメ化されて映像で見た方が楽に思えてしまう気持ちが勝った。様々な物語の舞台にされる湘南・鎌倉のレトロな雰囲気を活かすとヒットする確率が高くなるような気がする。青い花×江ノ電フェアの機会に聖地巡礼したときの光景が目に浮かんで、舞台がありありと再現できた。人口減少と共に日本からああいう場所が今後徐々に消えていき、いずれ物語の中でしかお目にかかれなくなるのだろう。

大学生図鑑 2012 〜人気イラストレーター・漫画家が描く有名大学60校!〜

それぞれの大学のカラーを際立たせるため、人を食ったような大袈裟な表現でキャラを立たせており、説明をそのまま信じて幻想を抱いてしまうと入学後に幾億万の失望を味わわされることになるだろう。イラストレーションの質が高く、なおさら妄想が掻き立てられる。騙されまいと身構えていても、実際そうなんじゃないかと思えてきてしまう力を絵と文章のコラボレーションが生んでいる。精神科医斎藤環も述べていたことだが、筑波大学は隔離された環境の中で恋愛が盛んであるのは事実のようだ。広いキャンパスにぽつんと佇む女の子が可愛くて、本書で紹介されている60校の中で一番入学してみたくなった大学だ。四畳半神話大系の舞台となった京都大学も自由闊達な雰囲気が好みだ。吉田寮に蟠踞し濃い青春を送ってみたかった。東京女子大学の「女子」紹介文とイラスト・キャプションには噴き出してしまった。一橋大学については、紹介文を読んでも女子学生に惹かれて入学したくなる読者はあまりいるまい。

一橋大学の女子はこんな感じ
基礎学力は一般のはるかに上をいく彼女たち。大学に入学してからは、男が元気な環境の中で負けじと張り合うか女王蜂化するか二極。

一橋大学の女子学生は、学問や市民活動にのめり込んでいったりしてますます「オトコ化」していくか、自分たちが希少価値が高いことに気がついて急速に女子力を磨き、キャンパスのクイーンとなるかのどちらかだ。まさに「男の中の女」となっていく。

一橋大学は近隣の津田塾大学と交流が盛んである。その津田塾大学も女子大学の章で解説している。

津田塾大学の女子はこんな感じ
独立心が強く、フェミニズムの思想を持った問題意識の高い女子学生が多い。

基本的に気が強い上に理論武装していて口は達者、しかも男性への要求もキツい女性たちなので、男子は耐えられるかどうかだ。

7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 イラストに萌えるのが正しい楽しみ方。 2011/11/14
By FAIRX
Amazon.co.jpで購入済み女子大生のイラストを採用し大学生活を紹介する書籍。
リアルなキャンパスライフが分かるとの触れ込みだが、そこに期待してはいけない。
この本の正しい楽しみ方はイラストに萌えることである。あくまで大学の紹介はオマケだ。
キャンパスライフを知りたいのならそこに通っている大学生に聞いた方がいいだろう。

受験生が女の子とのキャンパスライフを妄想し、モチベーションアップにつなげる意味では
ある程度効果があり良書と言えるだろう。
(ただしこの本に載ってるような美人さんは50人にひとりいればいい方なので
過度な期待は禁物だ。とくに高偏差値の国立は。)


5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 読み本としては悪くない 2011/10/15
By 漫湖居住プッシ〜
堅苦しい物の多い大学の紹介本としては非常にとっつき安く、あまり大学そのものに興味のない人でも手にとって見てしまうのではないかと思うくらいに魅力的な大学紹介へのアプローチ方法だと思う

多数の大学を扱う上で、差異を設けるために少しばかりオーバーなことも書いてしまうのも致し方ないのだと理解している。
大袈裟なだけで言ってることは合ってる様に思うから僕にとって不快感はない。
ただ、切羽詰った受験生が読むと幻想を抱いてしまい、入学後には来る大学を間違えたとわめき、頭抱えて死にたくなるかも知れないくらいのレベルだとは思う。

充分楽しませて貰っておいてあえて苦言を呈すなら

・私立大学と国立大学の偏差値における格差がおかしい

これは各予備校発表の偏差値表に対しても言われていることだが、3教科入試が一般的な私立大と、その倍以上の教科数の入試を受けるのが一般的な国立大の格差があまりにも無いから、偏差値の数字だけを見て難易度を混同してしまう可能性があるのでその辺は軽くでも触れておくべきだった。
そもそもがそう言う本であり、偏差値やら難易度に拘泥すべきで無いのは分かっているつもりだが、あえての苦言ですので

・西日本の大学があまりに少ない

他の方がおっしゃってるように、西日本の大学は悲しい程に少ないです。
関東の方は日東駒専やそれ以下の難易度や知名度の大学おいても見開き1ページを裂いているのに
それに対し、関西での同ランク私立大は紙面に存在すら許されてません。

西日本の微妙な偏差値の大学は全て載ってないと思っておいたほうが良いです。

立命館が慶応と並ぶような偏差値表になってることには訂正とお詫びが入ってましたので、こんなくらいでしょうか

大学進学する学生が増えて行く中で、ありそうで今までなかったタイプの本です。
細かいことに目くじらを立て、母校が少しでも悪く言われていると発狂するような人でなければ、値段相応には楽しめると思います。

大学生図鑑 2012 〜人気イラストレーター・漫画家が描く有名大学60校!〜 (晋遊舎ムック)

大学生図鑑 2012 〜人気イラストレーター・漫画家が描く有名大学60校!〜 (晋遊舎ムック)